殷 秋瑞（イン シュウズイ）
～男性～
１９６２年北京生まれ。10歳より京劇俳優養成の最高機関である中国戯曲学院の附属中学にて学び、9年間に及ぶ厳しい修業を経て、中国の戯曲教育における第一期大学卒業生となる。専門は花臉（顔全面に濃厚な隈取を施す豪傑役・悪役）。卒業後は、中国戯曲学院実験京劇団を経て、中国京劇院に入団し、大勢の名優たちと共演、伝統劇演目および新編歴史劇の中のさまざまな役柄を演じた。「覇王別姫」の項羽、『三国志』の曹操・張飛、『水滸伝』の李逵など広範囲にわたり、豊かな表現と張りのある美声をもって文戯（うた中心の劇）と武戯（立ち回り中心の劇）の双方を巧みにこなす。演技は独特の風格と存在感を見せ、隈取役に特有の豪快な迫力をもって観衆の注目を集めている。
1990年に来日以降、数多くの舞台を踏み、同時に京劇の演出や舞台監督もつとめる。海外公演（フランス・アヴィニョン演劇祭、1998）にも参加した経験を持ち、2003年の「中国中央テレビ放送局春節戯曲晩会」にも出演。今年を含め、三年連続ＮＨＫラジオとテレビ中国語講座に継続出演している。現在、桜美林大学と多摩美術大学講師を務め、中国戯劇家協会と中国演出家協会にも所属している。
